日本は国土総面積37万8000平方キロメートルと地球規模で見ればほんのちっぽけな島国ですが、その国土の3分の2は山地となっており、かつてオランダから来日した土木技師のヨハニス・デ・レーケが日本の川を見てその流れの激しさに「これは川ではない。滝だ。」と述べる程に険しい地形となっています。
そんな厳しい条件下でも、例えば4駅連続でスイッチバックを設けて乗り越えた奥羽本線板谷峠越えの38‰、アプト式で有名な信越本線碓氷峠越えの66.7‰、そして箱根登山鉄道の80‰など日本の鉄道は果敢にも常に急勾配に屈せずに挑み続けてきました。
そして僕は今、140‰の勾配に挑んでおります。
14‰ではないです。14%です。‰に直せば140‰となります。無理です。電車の走れるレベルの勾配じゃないです。多分ブレーキかけててもすっ飛んでいきます。なんでこんなとこ歩いてんだよマジで。
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10万円の使い道が色々ありすぎて逆に10万円じゃ足りないので10万円要らない、お金持て余している、ウィルスに汚染されている現金なんて要らないという方募集中です*1。萩薬師です。
今回はタイトルの通り"足柄駅乗換*2"をやってきた時の様子を書いていこうと思います。足柄駅乗換に至るまでの経緯なども書いていきますが旅の様子だけ見たいという方は下の目次から"1.旅の始まり"まで飛んで見て下さい。
0a.そうだ、2人旅しよう
どうしてこんなところを歩いているのか、話は4月の始まりにまで遡ります。
2020年3月、関西遠征に行こうと18きっぷ5回分を景気よく買うも、諸事情により中止に。色々もたついてる間に1度軽く日帰り旅しただけで18きっぷ4回分を残したまま4月に突入してしまいます。
2020年度春季の18きっぷの利用期間は4月10日まで。10日で4日分使うなら余裕だろと思う方もいるかも知れませんが、色々用事等が入っており当時は4日分使い切るのはかなり厳しい状況でした。そのためいきなり誘ってもホイホイついて来てくれそうなくらい暇そうなFFのとある方を誘い2人で日帰り旅に出かけることにしたのですが、行先が決まらず難航しているところで同行者となる方から「サイコロを振って行先を決めないか」という旨の提案がありました。要するに6つ計画を組みサイコロでどの計画にするか決めるという事ですね。これに対しいい行先が決まらず悩んでいた僕は「サイコロで決めるといえども流石に相手もちゃんとした計画は組んでくるだろう」と思い、つい二つ返事をしてしまいます。あほ、ばか、ごみ、地球の損傷、鼻からのあご、体重7桁、視力712億、1日あたりの尿82145 kg、毎日の食事846 kg、屋外ユニットA / C、68073ケンタマ、野生生物の行動、ハンクスおにぎり、Chengleからの赤痢、アンチエイリアス、森尾電機株式会社、キノコ、ウンコソムリエ。
そんなこんなで僕は出発日までのわずか3日間で行先を思いついてはボツにし、行先を思いついてはボツにし、日帰り名古屋し、行先を思いついてはボツにし、悩みに悩み抜いた末に3つの18旅計画を錬成したのでした。なんだかんだで2個はまともな計画組めたんだし3個も計画組まないとならないサイコロ旅(笑)なんてするより普通に計画考えた方が良かったなと思いました。そうすればあんな地獄のような旅をする羽目にもならなかったのに…。
0b.激動の出発前夜
結局どこに行く羽目になるのかわからないという不安を抱きつつもサイコロで行先を決めるという方針が変わる事はなく、4月6日未明の午前3時から同行者がツイキャスを始め、そのキャス内でサイコロを振って行先を決めるということになったのでした。
そんな訳でいよいよ運命のキャスが始まります。もう1か月前の事なのであんま記憶に残ってないのですが多分当時の僕は選択肢を見て驚愕してました。
一個明らかにおかしい選択肢がありますね?
いや、確かに言ったよ。昨年末くらいに足柄駅乗換やりてぇなみたいな事確かに言ってたよ。言ったけどさぁ。
よりにもよってなんでここでぶち込んでくるの?????
ま、まぁ引かなければいい話です。残り5つは多分まともでしょうし流石に6分の1を引き当てはしないでしょう。
はい。うん。あぁ。は~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ダメ人間!
ウンコソムリエだのなんだの罵倒する気も起きません。なんでここで引き当てるんですか。芸人ですか?????
出た。やっちまった。この時配信してたんだけど、マジで固まった。フリーズ。
あーあ。もう寝ようかと思った。でも同行の人がいる。そもそも行かせてもらってる分際。やめようなんて言えない。ー同行者のブログより
俺もやめたい。
というか行かせてもらう分際と思ってるならそもそもそんな選択肢入れてくんなよ~~~~~
18きっぷが余ってしまいました
— 萩薬師 (@Kisei_894) 2020年4月5日
僕は優しいのでオタクに一緒にお出かけしようぜと誘いました
気づいたら足柄徒歩乗り換えすることになってました
なんで???????????(殺気)
マジで当時の僕は凄い行きたくありませんでした。無駄に大量におにぎり作ったりおでかけしようとしてた無関係なオタク拉致してやろうかと画策するくらいには行きたくなかったです。
京急いいじゃんチャリで品川来いよ
— 萩薬師 (@Kisei_894) 2020年4月5日
18券あと1人分余ってんだよ
品川でワオとぜろはちと合流して足柄徒歩乗換ね
— 萩薬師 (@Kisei_894) 2020年4月5日
無関係のオタクを拉致ろうとする様子*3
お前早く家出ろよてか
— しらかわ (@42T_unko) 2020年4月5日
まってまだおにぎり作ってる
— 萩薬師 (@Kisei_894) 2020年4月5日
かなり時間ヤバいのにおにぎりを作るオタクの図
その後も時間ないのに金ケチるために品川までチャリ漕ぎ出したり遅れるのはいいから何時発に乗るのか決めろと言われて出された選択肢のうち一番早いやつ(かなり急がないと間に合わない)を選んでチャリかっ飛ばすも坂でバテて力尽き結局間に合わないなどガイジムーブを重ねた結果、当初の予定から約40分遅れ*4で品川駅に到着したのでした。
ここまでで前置きです。無駄に長くて申し訳ないです。辛いかもしれませんが足柄駅乗換するのに比べれば大したことないので耐えて下さい。
(どうでもいいけど前書きを0章にして本編を1章からにすれば分かりやすかったけど前書きだけで2章も使っちゃったから前書きの章番号が高架化工事前の熊本駅*5みたいになっちゃいました。ごめん。)
1.旅の始まり
品川から東海道線に約1時間乗り続け神奈川県は小田原駅に到着。小田急線に乗り換えれば一駅で足柄駅です。いよいよここから途方もない旅が始まります。
足柄駅から歩き始めて数分、伊豆箱根鉄道大雄山線の五百羅漢駅が見えてきました。
この五百羅漢駅、なんとマンションの中に駅があります。駅までの利便性が高いなんてレベルじゃないですね。まぁ駅からの利便性は低いですが
ここからしばらく大雄山線に沿って北上します。途中富士山と大雄山線を絡めて撮れる場所があったので軽く撮影したりしてました。
30分ほどで切り上げ再び歩を進めることに。大雄山線に沿うように流れている川の土手をのんびり歩きます。
川沿いに咲いてた菜の花を撮ったりしてると次の駅が見えてきました。大雄山線は駅間が短いので数駅分なら余裕で歩けます。
分かりづらいかも知れませんが電車と家の間に駅のホームがあります。先ほどの五百羅漢駅はマンション直結駅でしたがこちらの駅は一軒家直結駅ですね。トイレとか共用になってそう。*7
開始から1時間、半分くらい撮影に費やしていたためかなりペースは遅め。気持ち早めに歩を進めます。
ほどなくして相模沼田駅に。駅舎がレトロな感じですね。
駅入口の交差点の看板もレトロな感じでした。信号機とのギャップがちょっと面白いです。
歩いていると倒れているバス停がありました。風で倒れたのかと思って見てみると…
運 運 運
行 行 行
い い い
た← social distance →た← social distance →た
し し し
ま ま ま
せ せ せ
ん ん ん
週0本と僕が今まで見てきた中でもっとも本数の少ない時刻表でした。*8
桜が綺麗ですね。空も雲一つないいい天気でピクニックには最適です。こんな天気のいい日は足柄乗換をするに限りますね!
道が曲がらずに真っ直ぐ続いているのでこんな風に電柱がスーパー密状態になっているような写真が撮れました。これがいわゆる圧縮効果ってやつです*9。少し前にマスコミがこれと同じようなことをしてちょっと話題になってましたね。もっとも撮っていたのは電柱ではなく人間ですが。
2.平野部を抜けて
足柄駅(神奈川県)から約2時間、大雄山線の終点である大雄山駅に着きました。本来の予定だと12時半には足柄駅(静岡県)に着くはずだったようですがこれはかなり厳しいような…。
正直僕はこの時点で若干疲れが出てきてました。この日はかなり天気が良かったのですがその分日差しもかなり強く、暑さに弱い僕はかなりやられてました。
序盤は住宅街の中の平坦な道でしたが大雄山駅を過ぎると上り坂になっていきます。周りの景色も段々と自然豊かになってきました。
大体この辺りの土地は進行方向に向かって右側から左側にかけて段々状に土地が下がっていくような感じになっていて、左側を向くとこのように周辺の景色を見渡せます。
最初は人通りや車通りもそれなりにありましたが登っていくごとに徐々に減っていき、気付けばたまに車が通るくらいで人通りは殆ど無くなっていました。
気が狂いそうになりながら長い坂を登り続けていると古そうな石橋がありました。絵に描いたような長閑な場所って感じの雰囲気で個人的には結構好きな風景です。ずっと単調な上り坂をただただ歩き続けていると、こういう場所で写真を撮るのが軽い気分転換になったりします。
ふと後ろを振り向くと、遠くに麓の町が見えてきました。なんだかんだで結構登って来たんじゃないでしょうか。気を引き締めて再び終わりの見えない上り坂に挑みます。
これは一人で黙々と歩き続ける同行者の画像です。テンション低そうですね。僕はこんな景色も代わり映えするわけでもなくただただつらいだけの上り坂をひたすら歩き続けていたら気が狂うと思ったので、ちょくちょく写真を撮って気を紛らわしていました。まぁ僕が呑気に写真撮ってる間にも同行者はひたすら歩き続けていたので写真撮っては急いで追いかけるの繰り返しだったのですが。
あ! やせいの
じどうはんばいきが とびだしてきた!
ゆけっ! ぜろはち!
じどうはんばいき:L99
ぜろはち:L0.1
HP:1/5
▶たたかう どうぐ
ノケモン にげる
▶じばく
じがい
あぽとーしす
そうとうちかごう
ぜろはち! じばくだ!
ぜろはち? どうした?
ぜろはち? はやくじばくしろ?
ぜろはちは いうことをきかない!
ぜろはちは にげだした!
相変わらず景色は代わり映えがないです。でもそろそろ距離的には中間地点らしいのでここまで来れば足柄駅ももうすぐですね!
そう、ここまで来ればもうすぐに足柄駅だと思っていました。
しかしこの中間地点でそんな甘い予想と現実はかけ離れていることを僕は思い知らされるのでした。
AM10:47 神奈川県南足柄市 矢倉沢バス停
神奈川県の足柄駅から歩き続けること3時間半、ついに中間地点の矢倉沢に着きました。
しかし、少しでも地図を読める方なら気付くでしょう。
左半分の道が異常に曲がりくねっていることに。
左側の肌色の部分が何を表しているかと言うことに。
そうです。
こ こ か ら が 本 番 で す*10
~後編に続く~
後編
今回の足柄乗換記は日帰り旅のためこの記事で完結させようと思っていたのですが予想以上に長くなってしまった(5914文字)ため一度ここで区切らせて頂きます。後編はいつになるかは分かりませんが、出来るだけ早く投稿出来るように頑張りますので気長にお待ちください。 2020/5/24 後編投稿しました。
ここまでご覧いただきありがとうございました!
(個人的にはどうでもいいけど前後編に分けたら普通に冒頭の写真のとこまでたどり着けませんでした。ごめん)
*1:この記事を書いた当時は日本国民全員当たる!現金10万円配布キャンペーンが開催されていた
*2:神奈川県の足柄駅から静岡県の足柄駅まで県境を越え約27キロ歩く修行 1日を無駄にすることが出来る
*3:なお「やだよそれだったら家でウンコしてた方がマシ」と言われ拉致失敗した模様
*4:当初の予定:品川5時10分発 実際の乗車電:品川5時49分発
*5:ホームを増設しまくった結果、0A番、0B番、0C番のりばなるものが存在していた(高架化工事により廃止された)
*7:この駅は違うが一軒家に直結してる駅は実際にあるらしい
*8:ちなみに2番目は週1本
*9:無論電柱は平常時から常にソーシャルディスタンスを意識して一定の間隔を保っている(これは人間より電柱の方が賢いという証明でもある)
*10:序盤で圧縮効果の話した後で圧縮効果かかってる写真使うのもどうかと思いましたが実際疲れきった状態で遠くにこれが見えた時の精神的ダメージは相当なものです。大した事ねぇだろとか思うなら実際にご自身で試して下さい。